BDメディアは、どれくらい売れているのか?

 量販店の店頭で見ていると、非常に割高な1枚入りのBDメディアを買っていく人が結構います。倍払えば10枚入りが買えるような価格にもかかわらず1枚入りの方を買っていく。もうちょい払えば5枚入りパッケージが買えるのに1枚入りを買って行く。
 コンビニなんかだと、嘘だろうというくらいにメチャクチャ割高な1枚入りBDメディアしか売っていないのに、それが意外に売れている。*1

 私のような録画マニアからすると、わざわざ高い買い物をすることで お金を無駄にしているように見えてしまって、非常に不思議な購買パターンです。

 BDメディアというのは、ある日突然、緊急に必要になるような商品じゃないんだから、コンビニで買う意味は無いし。生鮮食品と違って腐るようなものじゃないから まとめ買いが可能だし。量販店の店頭価格よりも、アマゾンやJoshinの通販価格の方が圧倒的に安いのに? アマゾンならば、翌日に届くのから量販店に寄るよりも手間が少ないのに?


 どうも、普通の人に多い購買パターンは、ドラマをワンクール貯めこんでおいて、それを残したいとなると それに必要な分だけBDメディアを買うというのが結構多いようです。しかも、観る時に交換しなくてもいいように、かなり圧縮率を高くしてメディア1枚に収まることを重視している。*2 *3

 そういう使い方だと、複数枚入りパッケージを買っても、次に使うのはずっと先のことだから、しまっておいて使う時に探すよりも必要になった時に買った方が合理的なのかもしれないとも思います。


 世間の多数派からすると、録画マニアが当然の常識と信じている、購入単価を下げるために最低購入単位が20枚入りパッケージを買うのが当たり前だとかいう方が普通の感覚では無いのかもしれません。*4


 こうしたことは(1枚入りパッケージが非常に割高でも売れるという事実を知っているからこそ割高な価格設定をしているわけですから)実はメーカーや販売店も既に気がついているのかもしれません。というよりも、気付いていないとしたら、そっちの方がどうかしている。

 そして、普通の人にとっての「BDメディアの値段はまだ高い」という感覚の底には1枚入りパッケージの価格のことが頭にあるのかもしれません。そうすると、BDメディアは まだまだ非常に高いから気楽に使えないという感覚も、不思議ではないのかもしれません。



 もしかすると、Blu-ray Discの普及プロセスとして想定されていたような、普通の人がBDメディアをバンバン使ってくれる時代がやって来る可能性ってのは最初から幻想だったのかもしれませんね・・・とさえ思います。
 メーカーや販売店価格戦略は、そういう想定と矛盾していないでしょうか?

*1:もしかすると、私が見たことがないだけで複数枚入りパッケージを売っているコンビニもあるのかもしれませんけど。

*2:私は、販売店の店頭で、これはと思った人に結構色々と質問してしまいます。みなさん嫌がりもせず不審そうにもせずに答えてくれますから、メーカーの人間も客を装って自分の作った製品への正直な感想を聞いてみるべきじゃないでしょうか?

*3:表情の表現や視線誘導が重要なドラマなのに高圧縮率で録画してしまうのは、画質面からは驚くような話なのですが、「BD一枚にハイビジョンドラマ1クール丸録り」というのはパナソニックが2007年頃から、セールストークに盛んに使っていたらしいと聞きました。せっかくのHDTVの利点をぶち壊しにする話ですから メーカー側が言うのかよと仰天しました。ユーザーの方は昔のVHS3倍録の時代よりはましだという感覚で、HDTVの利点を活かせていなくても不満は少ないみたいです。民放の手抜き制作のドラマならそんなものかもしれませんが、中には心血を注いで作られたドラマもあるわけで、ちょっと何だかなあと思います。実は、高画質を望む層って圧倒的に少ない(それどころか、ほとんど居ないのかも)と痛感させられました。

*4:もうひとつ不思議なのは、一気に100枚買おうと200枚買おうと300枚買おうと20枚パッケージよりも価格が大きく下がることはないのですよね。価格交渉をしても気分程度しか下がらない。実は、録画マニアの方も、大量にBDメディアを使っている人ってのは意外に少ないのでしょうか? 本当に大量にディスク・メディアを使っている人は、誰もが必ず整理が大変だという話になるのですが、そういう人の人数が多ければメーカーに対しても大きな声になっているはずです。そういう声が多数派にならないのが不思議です。メーカーにBDを400枚セットしておける北米向けディスクチェンジャーを日本でも売って欲しいと要望を出しても「絶対に売れない」と考えているらしいし。