「ドラマは録画しておいて観る」(朝日新聞)

時間のやりくりに苦労してリアルタイムで放送時刻にテレビを観るよりも、録画しておいて観たほうが圧倒的に便利だから、録画で観ている人の割合は結構あるはず・・・というのは昔から密かに囁かれていたことなのですが、掟破りなことにも、朝日新聞が第1面で記事にしてしまいました。

「昨年、夜の連続ドラマで平均視聴率が20%を超えた作品はゼロだった。
ヒット作が減り「テレビドラマの地盤沈下」を指摘する声も多い。だが実際には・・・」

衝撃的な数字が出ています。

「ドラマは録画しておいて観る」という傾向が明確に出ているそうです。*1


放送時のリアルタイム視聴率と録画再生率との差は、

  • 3日放送の「ラッキーセブンスペシャル」(フジテレビ)は放送中が12.6%だったが、録画ではそれを上回る13.5%だった。
  • 連続テレビ小説純と愛」17.6%⇒5.4%。
  • 平日午前の韓流ドラマでは、放送中が0.5%⇒3.0%に達した例もあった。

さらに、朝日新聞本紙の紙面によると、

  • 仮面ライダー」視聴率4.0%⇒録画再生率5.3%、
  • 「ワンピース」7.8%⇒6.0%、
  • 「八重の桜」18.4%⇒7.4%など。

朝日新聞の記事を受けて行われたYahoo!によるネットユーザの意識調査「テレビ番組の視聴時間、リアルタイムと録画どっちが多い?」では次のような結果が出ました(実施期間: 2013/1/31〜2013/2/10)*2

  • リアルタイムでの視聴:18%
  • 録画での視聴:63%
  • どちらも同じくらい:13%
  • テレビを見ない:8%

録画しておいて観るというのはBDレコーダーの便利さを知っている人間にとっては当然の行為です。

ドラマや映画の途中に、センスの悪いCMが入り込んで ぶった切られるのは興醒めそのものです。CMは、もっと番組と馴染んだものにしてほしい。そうでないと、ドラマ大好き人間からは反感を買っています。

ドラマのCMほどには興醒めでなくとも、今のCMは露骨に売らんかなでしつこいのが多過ぎます。

だいたい、今の勤務体制では普通に働いている人は、ゴールデンタイムの放送番組をリアルタイムで観ることは不可能です。帰宅していませんからね。平日午前の韓流ドラマを放送時刻に観ることができるのは、専業主婦だけではないでしょうか?でも、仕事をしている女性の中にも、寒流ドラマが大好きな人は多いはずです。

ゆっくり楽しむわけではない番組や ニュース等の情報さえ抑えれば良い番組の視聴では、BDレコーダーの早見機能を使って1.5倍速とかで見ている人も多いのではないでしょうか?

こうしたギャップをどうやって埋めるかについては、放送業界は熱心ではないというよりも、放送とは放送時刻にリアルタイムで観るべきものなのに録画して観るのはケシカランといった態度でした。家電業界も便利なタイムシフト機能を積極的に提供するよりは(放送業界に遠慮してか)一歩引いた状態でした。

地デジ化バブルの反動でBDレコーダーの売れ行きは壊滅状態になりメーカー各社は青息吐息だそうですが、確かな需要は存在するのですから、もっとユーザーの要望をかなえる製品を出してほしいものです。