(BDの業界団体)日本記録メディア工業会が3月末で解散

衝撃的なニュースです。

BDメディアは あんまり売れていないのだろうなあ・・・とは思っていましたが、
いくらなんでも業界団体を解散してしまうなんてのは前代未聞の話なので、
もう仰天してしまいました。

「この業界に未来はない。撤退する」と、メーカーが宣言してしまったのと同じことですから。

そうでなければ、監督官庁との折衝などやマスコミ対応などのために中立的外見を装って代弁する業界団体は必須の存在ですので、維持し続けるでしょう。

ホームページさえ、これまでの歴史の記録資料として閲覧できるように
維持することはせずに、年度末で閉鎖だそうです。

凄い、結末だなあ。
なんとも急な話で、跡を濁す幕引きです。


解散の前日に発表した、記録メディアの需要予測では、

  • BDは'15年度に2億9,900万枚。国内が8割超
  • 外市場では依然として関心は低いままだと見ている
  • 記録型BDは堅調な需要の推移が見込めるが、記録メディア全体の需要規模は縮小が続く

という元気の無いものでしたし、
記録型BDを大量に消費してくれる可能性のあるBDレコーダーが売れているのは日本しかないわけですから、しょうが無いのかもしれませんねえ。

2012年度実績では、1家庭あたりの年間消費量は平均5枚程度にしか過ぎないということですから、やっぱり普通の家庭は非常に僅かしかBDメディアを買わないんでしょうねえ。

そして、未だに記録型DVDの方が10倍も売れているというんですから、BDメディアへ移行したユーザーは非常に少ないのですねえ。

  • やっぱり、既に手持ちの互換再生機器との間のやり取りに使いたいという制約の問題がありますからねえ。
  • また、そういう再生機器へ録画番組を持って行ったり ご近所や知り合いと貸し借りするためでもないと、普通の人は記録メディアを買う気になれないということでもあるのでしょうか?

絶対数として売れていなくて、今後の急成長も望めそうにないというのは、非常に苦しいところですね。


目論見は、消耗品ビジネスの典型としてボロ儲けできる花型分野だったのでしょうに、
こんな形で終焉を迎えることになるとはねえ・・・


日本記録メディア工業会が3月末で解散
ネット化などで「記録メディアの位置づけ低下」

 日本記録メディア工業会は14日、2013年3月末をもって同工業会を解散すると発表した。

 同工業会は、Blu-ray DiscやDVD、ビデオテープなど、記録メディアに関する調査研究や普及啓発などの活動を行なっており、1948年10月設立の前身となる磁気録音テープ工業会からの活動を含め、約60年間活動を続けてきた。

 しかし、「昨今では発展著しいネットワーク技術とクラウド技術の融合により、ストレージもネットワークの中に集約される方向性が強まり、リムーバブルな記録メディアの相対的な位置づけが極めて低下してきている」との現状分析に基づき、「記録メディアに関する調査研究や普及啓発、規格や基準立案などを通じて、我が国の産業発展や国民生活向上に資する、という目的が達成された」と判断。3月末をもって解散、清算することとした。

 なお、解散に伴い、これまで行なってきた事業を全て終息。ホームページも3月31日をもって閲覧停止する。

関連リンク:
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20130315_591854.html

日本記録メディア工業会
http://www.jria.org/

ニュースリリース
http://www.jria.org/personal/pdf/info20130314.pdf


記録型BDの世界需要は'15年に2億9,900万枚。JRIA予測
国内が8割超。記録型DVD/CDは20%前後の減少が続く

 日本記録メディア工業会(JRIA)は14日、Blu-ray DiscやDVD、ビデオテープなどの記録メディアの世界需要予測を発表した。2015年度まで3年間の中期予測をまとめたもので、2012年度の推定実績に基づいて算出。この結果を受けて「記録型BDは堅調な需要の推移が見込めるが、記録メディア全体の需要規模は縮小が続く」とした。

 対象となる記録メディアは、BD-R、BD-RE、DVD±R、DVD±RW、CD-R/RW、オーディオテープ、録音用MD、ビデオテープ、ムービーテープ(ミニDVカセット)。小型メモリーカードについては、SDメモリーカードの寡占化を受けて予測を中止した。

BDは'15年度に2億9,900万枚。国内が8割超
 記録型BDの'13年度の世界需要は2億6,000万枚で前年度比13%増、'15年度は同6%増の2億9,900万枚と堅調な伸びを予測。'13年度の国内需要は2億2,900万枚(同8%増)で、世界の約88%を占めており、海外市場では依然として関心は低いままだと見ている。

 タイプ別にみると、'13年度の追記型BDは1億3,300万枚で構成比58%、書換型BDが9,600万枚で構成比42%、'15年度は追記型BDが1億4,300万枚(構成比60%)、書換型BDが9,700万枚(同40%)と予測。JRIAは、地デジ移行やBDレコーダの普及、今後の4K/8K放送開始などを受けた、新たな需要の高まりに期待を寄せている。