連続ドラマは、録画して観ていますか?

 最初に、朝日新聞が口火を切った掟破りの話題ですが、一過性の話題に終わるかと思っていたら、何度か蒸し返されて記事になっています。*1

 マスコミ関係者にとっては割と都合の悪い話なので 沈静化を図りたい話題のはずですから、こんなに蒸し返されるのは、中々と不思議な現象です。

 ドラマ制作者側にとっては、自分たちは見応えのあるドラマだって作っているんだぞ(俺たちは、ゴミばっかり作っているわけじゃないぞ)という鬱積した思いの琴線に触れる点があったのでしょうか?

 もしかすると、思いっ切り意地悪く考えると、さっぱり視聴率を取れなくなってスポンサーに土下座するしかない放送局の精一杯のエクスキューズかもしれませんよ(ふふふっ)。さて、真相は?

BDメディアの容量は十分だったのか?

 かつて、Blu-ray Disc陣営とHD DVD陣営が規格争いをしていた時に、HDTV解像度の映画が1枚のディスクに収められるということが強く強く強調されていました。

 しかし、書き込み可能BDメディアで実際にテレビ番組の録画に使う時には、単に映画が1本入りさえすればOKではなく、連続ドラマやシリーズ番組や関連番組はひとまとめにして1枚のメディアに記録しておくことが可能な大容量メディアの方が圧倒的に便利なわけです。
 そうしたことは、規格争いをしていた側にも分かり切っていたはずです。なにしろ「1枚のBDにワンクール分のドラマを録画が可能」(ただし、画質を犠牲にして高圧縮録画にするならば)なんてことを、後になってから宣伝文句に盛んに使ったりするくらいですから。

 でも、百も承知だったにもかかわらず、そうした録画ユーザーへの配慮が、規格制定時に存在していたのでしょうか?

 1枚25GBというBDの容量は衛星波デジタル放送をそのまま録画したら約2時間しか録画出来ませんから、便利に録画に使おうとすると全く足りないのは最初から明らかなことでした。

 そもそも、映画コンテンツを売るための市販用BD-ROMの容量と録画に使うための記録用BDメディアの容量とは、最初から別々に設定しても良かったのかもしれないと思います。

 結局のところ、映画コンテンツ販売商売用のセルBDのためのメディア(市販用BD-ROM)としての配慮はあったけど、記録用メディアを使う録画ユーザーのことは「どうにでもなる」と等閑視されていたとしか考えようがないのです。

 容量だけではなく記録速度やシーク速度などに関しても、録画ユーザーのためのことは余り考えられていなかったんじゃないかと疑いたくなります?

 その点への反省があるならば、申し訳ないと思う心があるのならば、レコーダーはHDDとの間の連携を使いやすくして欲しいのですけどねえ。
 BDメディアは、保存用正本ではなくてバックアップ用のつもりでいいじゃないですか! 20枚くらい記録用BDメディアをセットしておくと、レコーダーの負荷の低いタイミングを見計らって、どんどんバックアップを取っておいてくれると非常に手間が省けて便利でしょ。

DIGAのAVC圧縮の欠点

 よくDIGAブルーレイレコーダーのAVC圧縮の優秀性が喧伝されていますが、実はそれはそのまま欠点でもあることにも注意しないといけません。

 なぜかというと、DIGAで高圧縮率を実現できている秘訣の1つには、AVC圧縮の前に加工のための前処理で元映像を弄りまくっているというのがあるのですよね。

 このために、たとえ低圧縮率であっても、いったんAVC圧縮をかけてしまったら最後、精細感も遠近感も大きく損なわれることになります。

 遠近感を出しにくい現行ビデオカメラを使って苦労して表現されていた視線誘導のための工夫なんてのは、完全に意味を失ってしまいます。

 はっきりいうと、「作った絵」だということです。

 しかし、一方では、この前処理のお陰で、いかにもテレビらしい派手で見映えのするコントラストの高いパリっとした絵に作っていることが好評を得ていたりするわけです。
 実は、AVC圧縮後の絵のほうが放送映像よりも好ましいと感じる人達が非常に多いのも確かな事実です。でも、それは原画に忠実というのとは違った路線です。

 つまり、丸められてしまっているけど、クッキリハッキリの派手派手の映像というのが、パナレコのAVC圧縮映像の特長です。このことは、高圧縮時には非常に大きな価値があります。

 しかし、低圧縮率の時には、原画への忠実度が強く期待されているのですから、このパナソニック独自の絵作りの度合いを弱めてくれるといいのですけどね。


 結論としては、映画やドラマが大好きで、その製作者の意図を忠実に反映したオリジナルの映像を観たいという人は、パナレコではDRモードで録画というのが鉄則です。*1 *2

*1:一生懸命に制作されている映画やNHKの朝ドラをAVC圧縮されたもので観ると「ふざけるな」と言いたいくらいの勝手な絵作りにされてしまいます。評論家の皆さんは、何故これを指摘しないのだろう?

*2:AVC録画で過去に存在した大ポカとしては、動きベクトル推定の誤差(それとも実はバグ?)が大きすぎて、AVC圧縮録画にすると赤の画素が上手く追従せずにホワンホワン動き回っているというのもありました。これは重大問題のはずなのに、直して頂くまでに意外に時間がかかりました。AVC録画に求める画質はクッキリハッキリさえしていれば忠実度は余り重視していないのだろうか?何よりも不思議なのは、その世代のAVC録画に関しても評論家の皆さんが大絶賛していたことです。

レート変換の高速化は、なぜ重要か?

 DIGAブルーレイレコーダーでは、複数の番組をAVC録画指定している時にエンコーダーが不足すると、一時的にDR録画にしておいて、電源がOFF状態かつ録画が実行されていない時に、それが自動的にAVC変換されるという非常に便利な仕組になっています。

 ところが、この一時的にDR録画に変更されたのが長時間番組であると、実際にAVC変換が実行されるまでには 長い長い非常に長い期間がかかることが多い。これが、何日も掛かるどころか 何ヶ月とかの単位の期間がかかることも少なくない。

  • 3時間番組は、ちょっとやそっとではAVC変換してくれない。
  • 6時間級番組なんかになると、半年待ってもAVC変換されないままでHDD容量を圧迫したままになる。

この問題が更に深刻になるのには理由があって、

  • BZTx20世代までは、トリプル録画を謳い文句にしていながら搭載しているエンコーダーは2個しかないので、必ず1つの録画はDRモード録画になってしまう
  • 複数番組をAVCモード録画している時にエンコーダー不足から一時的にDR録画へ切り替えられる際には、短い番組の方を選んでDR録画に変更するのではなく、なぜか後始末が大変な長い番組の方がDR録画へ切り替えられることも少なくない

という事情があるためです。

これへの対策としての生活の知恵は、

  1. AVC変換(レート変換)に専念できる時間帯を確保するために、複数台のBDレコーダーを導入して録画時間帯を振り分ける。
  2. 長大なDRモード録画番組は、CMなどを境として短いパーツに分割しておくことによって、レート変換動作を促進。全てのパーツのAVC変換が完了したならば、パーツを再結合。

 こういう生活の知恵で凌いできたわけですが、これって完全に本末転倒のような気がしませんか?

手段1(複数台使って時間帯に分けて対処)で困るのは、

  • 同じ放送局の番組であっても時間帯別に別々のレコーダーに番組が分散して保存されることになってしまい一覧性が非常に悪くなります。
  • 録画予約をするときにも時間帯に応じた場合分けが必要で、非常に面倒臭い。
  • キーワード録画を行なおうとすると、録画時間帯の振り分けというのがうまく行きません。

手段2(パーツ分解)は、とにかく面倒くさい。

  • 分割したパーツが全部AVC変換を完了するのを待つのが中々と大変。
  • なにしろ、AVC変換の対象の順番を指定する方法がないので、AVC変換待ちのものがたくさんあると、この分割した一揃いのセットを優先してまとめてレート変換してくれるわけではない。
  • したがって、予定も見通しも立ちません。セットの中の最後のパーツが、何時まで経ってもレート変換されないこともあります。

というわけで、もう神に祈るしかありません。

 こうした訳で、複数エンコーダーの並列処理による高速化は、DIGAブルーレイレコーダーのようなやり方にとっては非常に重要なのです。

もちろん、その前に、

  • エンコーダーの数をケチるなよ」
  • 「部分的にレート変換を進められるように作っとけ」

という本質的問題があるわけですが。

はてなの お姉さんは ひな祭りに萌えるのか?

今週のお題「ひな祭り」

男兄弟ばかりだと、自分の家では雛飾りはしませんから
ひな祭りは お呼ばればっかりでした。

お呼ばれに行くと、女の子はとっても楽しそうだったことを思い出してしまいます。

はてなのお姉さんのハシャギ振りを見ていると
女の子にとっては、何歳になっても、桃の節句って楽しいものなんですね。

昔の、純真な女の子が楽しそうにしていた華やいだ雰囲気を思い出してしまいました。

3月3日は「ひな祭り」。大人になっても、キレイな「ひな人形」やお祝いのお菓子などを見ると思わずウキウキしてしまいますよね。

BDメディアは、どれくらい売れているのか?

 量販店の店頭で見ていると、非常に割高な1枚入りのBDメディアを買っていく人が結構います。倍払えば10枚入りが買えるような価格にもかかわらず1枚入りの方を買っていく。もうちょい払えば5枚入りパッケージが買えるのに1枚入りを買って行く。
 コンビニなんかだと、嘘だろうというくらいにメチャクチャ割高な1枚入りBDメディアしか売っていないのに、それが意外に売れている。*1

 私のような録画マニアからすると、わざわざ高い買い物をすることで お金を無駄にしているように見えてしまって、非常に不思議な購買パターンです。

 BDメディアというのは、ある日突然、緊急に必要になるような商品じゃないんだから、コンビニで買う意味は無いし。生鮮食品と違って腐るようなものじゃないから まとめ買いが可能だし。量販店の店頭価格よりも、アマゾンやJoshinの通販価格の方が圧倒的に安いのに? アマゾンならば、翌日に届くのから量販店に寄るよりも手間が少ないのに?


 どうも、普通の人に多い購買パターンは、ドラマをワンクール貯めこんでおいて、それを残したいとなると それに必要な分だけBDメディアを買うというのが結構多いようです。しかも、観る時に交換しなくてもいいように、かなり圧縮率を高くしてメディア1枚に収まることを重視している。*2 *3

 そういう使い方だと、複数枚入りパッケージを買っても、次に使うのはずっと先のことだから、しまっておいて使う時に探すよりも必要になった時に買った方が合理的なのかもしれないとも思います。


 世間の多数派からすると、録画マニアが当然の常識と信じている、購入単価を下げるために最低購入単位が20枚入りパッケージを買うのが当たり前だとかいう方が普通の感覚では無いのかもしれません。*4


 こうしたことは(1枚入りパッケージが非常に割高でも売れるという事実を知っているからこそ割高な価格設定をしているわけですから)実はメーカーや販売店も既に気がついているのかもしれません。というよりも、気付いていないとしたら、そっちの方がどうかしている。

 そして、普通の人にとっての「BDメディアの値段はまだ高い」という感覚の底には1枚入りパッケージの価格のことが頭にあるのかもしれません。そうすると、BDメディアは まだまだ非常に高いから気楽に使えないという感覚も、不思議ではないのかもしれません。



 もしかすると、Blu-ray Discの普及プロセスとして想定されていたような、普通の人がBDメディアをバンバン使ってくれる時代がやって来る可能性ってのは最初から幻想だったのかもしれませんね・・・とさえ思います。
 メーカーや販売店価格戦略は、そういう想定と矛盾していないでしょうか?

*1:もしかすると、私が見たことがないだけで複数枚入りパッケージを売っているコンビニもあるのかもしれませんけど。

*2:私は、販売店の店頭で、これはと思った人に結構色々と質問してしまいます。みなさん嫌がりもせず不審そうにもせずに答えてくれますから、メーカーの人間も客を装って自分の作った製品への正直な感想を聞いてみるべきじゃないでしょうか?

*3:表情の表現や視線誘導が重要なドラマなのに高圧縮率で録画してしまうのは、画質面からは驚くような話なのですが、「BD一枚にハイビジョンドラマ1クール丸録り」というのはパナソニックが2007年頃から、セールストークに盛んに使っていたらしいと聞きました。せっかくのHDTVの利点をぶち壊しにする話ですから メーカー側が言うのかよと仰天しました。ユーザーの方は昔のVHS3倍録の時代よりはましだという感覚で、HDTVの利点を活かせていなくても不満は少ないみたいです。民放の手抜き制作のドラマならそんなものかもしれませんが、中には心血を注いで作られたドラマもあるわけで、ちょっと何だかなあと思います。実は、高画質を望む層って圧倒的に少ない(それどころか、ほとんど居ないのかも)と痛感させられました。

*4:もうひとつ不思議なのは、一気に100枚買おうと200枚買おうと300枚買おうと20枚パッケージよりも価格が大きく下がることはないのですよね。価格交渉をしても気分程度しか下がらない。実は、録画マニアの方も、大量にBDメディアを使っている人ってのは意外に少ないのでしょうか? 本当に大量にディスク・メディアを使っている人は、誰もが必ず整理が大変だという話になるのですが、そういう人の人数が多ければメーカーに対しても大きな声になっているはずです。そういう声が多数派にならないのが不思議です。メーカーにBDを400枚セットしておける北米向けディスクチェンジャーを日本でも売って欲しいと要望を出しても「絶対に売れない」と考えているらしいし。

引越し機能がほしい。買い換えた時の引越しが大変過ぎるから

 新しいDIGAへ買い換えた時に一番大変なのは、前のBDレコーダーからのコンテンツの引越しに莫大な手間がかかることです。

 レコーダー内に録画コンテンツを沢山貯めこんでおくと便利に使えることを強調して宣伝している最近の大容量HDDモデルであってさえも、どういう訳か、以前のレコーダーからの引越しは一筋縄ではいかない莫大な手間が掛かります。

 現状では、書き換え可能BD記録メディアであるBD-REを使って、以前のBDレコーダーから買い換えた新しいBDレコーダーへとムーブバックするのが一番確実そうな手段ですが、これには大変な時間がかかります。

その原因は、

  1. BD-REへの記録速度が遅い
  2. ムーブバックの速度が遅い
  3. シナビア・チェックに時間を取られる*1

このそれぞれのステップに数十分掛かって*2、ワンサイクルの時間が長い上に、その間に他の用事をするために処理を任せて放りっぱなしにするには中途半端な長さの時間なんですよね。

 これを、HDD容量が1TBのレコーダーで単層記録BD-RE(公称容量25GB)を使って引越ししようとすると、40サイクルは繰り返すことになります。

  • HDD容量が2TBのレコーダーだと80サイクル掛かります。
  • HDD容量が3TBのレコーダーだと120サイクルです。

 それならば、メディア交換の回数と手間を減らそうとして2層記録BD-RE(公称容量50GB)を使うおうとたくらむのが自然な成り行きなわけですが、ここで問題が生じます。
 なんとも困ったことにも、20回以下の書き換えで怪しくなってドロップアウトが出てくる2層記録BD-REの個体が混入しています。しかも、同じ複数枚パッケージの中の個体間でさえ劣化特性が違います。(非常に高価な超有名ブランドのメディアであってさえも2層記録BD-REの多回数の繰り返し使用には問題があります)
 別に、最低100回は使えなければ商品価値が無いぞ・・・とかと言いたいわけではありません。
 重要なのは、ある保証された一定回数の間は、劣化せずに確実に使えてドロップアウトとは無縁だとの信頼性が無いと非常に困ったことが生じてしまうということです。
 なにしろ、現在のBDレコーダーでは、記録型BDへの書き込み時にベリファイを掛けていませんから、ドロップアウトが生じていても記録時点では気づかずじまいになります。
 その録画番組を観ようとした時になって初めて、ドロップアウトが混入していることに気付いてガッカリするはめになります。*3

 しかも、ムーブバックは、必ずしも常に成功するわけではありません。


 実は、コピーカウントを保持してのLANダビングの規格はとっくに決められていますから、新しいレコーダーと古いレコーダーをLAN接続して放りっぱなしでHDD丸ごとコンテンツの引越しをさせることが可能なはずです。
 こんなこと、やる気にさえなれば 簡単に実装できることにすぎないにもかかわらず、現実には何時まで経っても搭載されないのですよね。

 自社レコーダー同士の間でくらいは、さっさと実現してほしいものです。


 とても残念なことですが、なるべく沢山BDメディアへ焼かせようという方針でBDレコーダーが作られていることが、使い勝手を非常に悪くしています。

*1:このために、シナビア・チェックが実装されていない世代のBDレコーダーには大きな価値があります

*2:シナビア・チェックは低圧縮率録画ならば もっと短時間で済みますが

*3:こうした記録メディアの劣化問題対策として、ベリファイ機能やサーフェイス・チェック機能は、是非とも搭載してほしいものです。